sisi wall news paper Vol.07-4
日本でも休む事無く働き続ける万里子がお届けする大人気連載! あなたの心のオアシスを漫画に!

■万里子のオススメ漫画

皆様ご機嫌よう。ふたたび万里子のオススメマンガでございます。 忙しい中時間が出来れば寝ればいいのに、「休憩」が「漫画を読む」という意味のわたくし。 旦那様(バリ人)にも「マンガ狂い」と命名されてしまいましたわ。

さて、今回の御紹介は「他人の家/深巳琳子/小学館」でございます。これが、あ〜、いるいるいる....とうなずきながら読んでしまう。きっとsisi様が読んでも一喝入れたくなるのが必至な作品ですわ。 美大生・亀井千歳は、父親の再婚によってそりの合わない「継母」と「妹」と暮らすことになってしまった。この勘違い甚だしい親子に悪戦苦闘の日々が始まる....という内容なのでございます。

そりの合わない他人なら付きあいを切れば済むことだけども、家族となるとそうはいかない。この親子の自分への酔いっぷりはおそろしい。 

勘違いしてる人間がどれほどみっともないかということを見せ付けてくれます。また、そういう人間に限って弱さを武器にするくせに実は殺しても死なないくらいにしぶとい。妹となった秋絵ちゃんは友人のことも「あたしの親友。」と紹介し、ぬ いぐるみを見て「カワイイ〜!」と踊り、人に迷惑をかけて「許して〜!」と土下座をかます、パフォーマーな妹。これ、実際そばにいたらイタイ人だよ。土下座はいいから実質的に役に立つことで責任とれよな。そういう人間に限って人前でやったりするんですのよね。 涙を流したりして。泣くんなら人のいねえところで泣けよ。計算ミエミエなんだよ!というようなことを母子でやってるからして、暑苦しい!!

継母は夫に三度逃げられ、スナックも一件つぶしている、自称・運が悪くて苦労してきた人間。秋絵も「千歳ちゃんは幸せに育ってきたお嬢さんなんだからわかんないんだよ!」と不幸であることを武器にする。不幸がえらいか?出来てる人間は自分の不幸を売り物になんかしねえんだよ!第一そういう人間に限って「自分が悪い」せいではなく「運が悪い」せいで周りが悪いと思っている。オイオイ、ちゃ〜んと自分と向き合えよ!彼女達は、態度では遠慮してやたらと謝るくせにとっても厚かましい。しかも自覚ナシ。読みながら千歳ちゃんにホントに同情....。彼女が家を脱出出来る日は来るのか!??

深巳琳子さんはこれが最初のコミックスらしいですが、彼女はこれから大化けする予感が致しますわ。この「他人の家」をやっている時も目をつけていたのですが、今ビッグコミックオリジナルで連載されている「沈夫人の料理人」は全然違う中国明時代のお話で、これがまたいい味を出している。こんなに全然違う話が描けるのか、と驚きましたわ。沈夫人と料理人の間に通 う、サドとマゾの信頼関係に似た二人のやりとりがビミョ〜で面白い。要チェックでございますわ!

尚、この「他人の家」もsisi様一時帰国の際にでも寄贈致しますつもりでございます。sisi店頭での登場をのんびりお待ち下さいませ!それでは皆様、ご機嫌よう。

怪といえば、私も幽霊のおっさんに乗られて金縛りにあったこともございますね。友人が家に幽霊置いていったり....。あれは2度と嫌ですね。肩が痛いんですよ、肩が。おおやだ。それでは皆様も取り憑かれないように御気をつけあそばせ。そういう話じゃないってか。それでは皆様ごきげんよう。

 

■SiSiの勝手におススメ映画

今年は去年より良い映画をバンバン観るぞ!と誓ったワタクシ。今年は世界情勢を映し出してか、 現実離れした『ファンタジー』ものがもてはやされそう。久々に『オズの魔法使い』とか観たいな〜

最近観た『ハリーポッタ−と賢者の石』、良かった。本を先に読んでいたからか、すごい期待をしていたのですね。 そしてそれを裏切らないこの映画バージョン。すんごいっすよね、本がこれだけヒットして、それを映像化して、それも満足行くものを作るなんて! は〜、敬服いたします。 反対に、日本に帰っていた時に観た『ハンニバル』(『羊達の沈黙』の続編』)の原作を、バリに来てから読みました。あー、そうやったんかいな〜と思う所が沢山あって、どんどん読み進んでしまいました。 もともと、原作と映画は全然違う、と聞いていたのですがそれはラストの部分だけであって、最初などは本当にドキドキするぐらい原作通 り。(魚市場で『マカレナ』はかかって無かったけど)

日本語字幕で観ていたにも関わらず結構「?」が多かったのに、本を読んだらクリアーになりました。そして、「もう一回映画観たいよ〜」と思ってたら、これがまたタイミング良く友人が「持ってるよー」と貸してくれました。 あー、映画の醍醐味ってこれでしょうか?これからしばらく映画と原作の見比べが私の中でモードになりそうです。

ところで、いつも通りの長い前置きを終えて、今回のオススメ映画は『Girl6』(ガール・シックス (96年))です。 この映画は私の大好きな監督のひとりでありますスパイク・リ−監督(『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89年)『モ’ベター・ブルース』(90年)『ジャングル・フィーバー』 (91年)) 彼のヒット作と言えば一般的には『マルコムX』でしょうか?一時期は『X』と書かれた雑貨や洋服がばんばん出回っていましたね〜。初めてデンゼル・ワシントンをしっかり意識してみた映画もやはりスパイク・リ−のもの。(最近老けたねー、『タイタンズを忘れないで』で嬉しかったけど、ちょっと淋しくなった)スナイプスも格好良かった。

彼はお客さんを楽しませると言うエンターテイナー性も持ちながら、あくまで黒人監督だから作れるメッセージ性の強い映画を作り続けています。 彼の何本かの映画を観て、ただ素直に「面 白かった」と言えなかったものもあります。 簡単に「なるほど、差別ってまだまだあるのね、無くして行こう」と言うようなもんでは無いんですね。ある意味「よそモノにはどうする事も出来ないんだから、えらそーに口をきくのは止めてくれ」と言う姿勢も見える。  実際そうなんですよね、差別 って。 部外者に「分る、分る、止めよう」なんて言われたところで、「お前された事あんのか?」って言われたらお終い。 実際今この地で住んでいる私は『JAPANESE IN BALI』な訳で、あくまで私はここでは異国人(エイリアン)なんです。そう、タム(お客さん)って呼ばれ続けるし。 バリ人になる?そんな事は無理なんすよね、結局。(ならんでええしー)って話は脱線して来ておりますが。

そんな彼の映画の中でも今回オススメするこの『ガール6』は結構娯楽性の高いものだと思います。 ストーリーはこう。女優志望の女の子が、趣味と実益を兼ねてテレホンクラブのオペレーターになるんですね、そこはなかなか興味深い場所で、集った女の子達は思い思いの格好で、趣味に没頭しながら男性のお客さまのお相手をする。 中にはお菓子をばくばく食べてたり、編み物をしたり。。。(ちなみにナオミ・キャンベルなんかも登場)実状ってそんなもんなのかも? そして、そこから淡い恋心あり、お金にまつわる危険あり、とアクシデントが起って行くのですね。 給料に引かれて違うテレクラに勤めるんだけども(そこのオーナーがマドンナ)ストーカーにあったり。 はっと気付くと「私の本来の目的って?」となっている主人公。 彼女はそこで何を選び、何を学ぶのか?  今の女の子だけに関わらずそういう状況ってきっと多くあるはず。 本当にしたい事ってなんだったんだろう? 色々模索するうちに目的が変わってしまう、それが積極的なもの、主体的なものだったらありなのだけれども、なんとなく流されてしまって見えなくなってしまう。 この主人公のように「?」と気付かぬ ままに後戻出来ない状況に陥ってしまう人も世の中多いはず。 気付かないのが幸せなのか、不幸せなのかそれは私には分りませんが。。。    ヒップな中にも大きな問題を掲示するスパイク・リー。 結構自分の映画には出て来ます。 この映画にも隣人の役か何かで出て来るはず。 小さい男の人です。そう言えばどの映画かで(モ・ベターだっけな?)でマネージャー役みたいなので出てて、名前を『ジャイアント』と名乗っていた!ははは

後、何かの批評で「面白く無い!」と書いていて、すんごく驚いてショックだったのですが、私の大好きな作品が『クルックリン』'Crooklyn' (94年)。 中流階級の黒人の女の子の生活を描いたもの。(ちなみに監督自身も中流階級の出で、彼の自伝的映画らしい)ちなみに監督は近所のラリったヤク中の男として逆さ吊るしで登場! サントラが抜群に良くって、2枚組を速攻買ってしまいました。 あー、まただらだらと好きな話を書いているだけですね、お許し下さい。 そして、興味があったら是非是非チェックしてみて下さいね! では、そろそろ終わりますぅー、さいなら〜〜〜