「えっ!これはこういう生地を使ってるんじゃないんですか?」

と、何度お客さまからの驚きの声を聞いた事でしょう。

そうなんです、バッグの形にカットした無地の生地にひとつひとつ白い刺繍糸でスタッフがまさに「手刺繍」しているものなのです。


この『手刺繍グラニー』バッグを作る最初の「きっかけ」は実は今から20年程前にありました。

私が大学生の時、仲良しの友人たちが誕生日プレゼントに私が憧れているスペインのあるブランドの「マフラー」をくれました。

ちょっと光沢のある美しい紫のスェード生地にかわいい刺しゅうのその上品で個性的なマフラーが大好きでした。

バリ島でバッグのお店sisiを始めて間もない頃はほとんどの生地が「既成」のものでコピー商品なども少しずつ出回って来て。

sisiにしかないオリジナルの生地を使って他と違いを作って行きたいな、と考えていた時に「刺しゅう」が思い浮かびました。

飽きがこない、そしてどんなお洋服にもあわせ易いシンプルでsisiらしいかわいいモティーフ。

ふと思い出したのが あの「美しいマフラー」

確かアスタリスクのモティーフだったような、と試行錯誤で刺しゅうのサンプルを作り刺しゅうの間隔も考えて作り上げました。

過去にはボーダーの柄に刺しゅうしたものやカラー刺繍糸を使ったものなどもありました。

すっかりsisiの「定番」となった頃、帰国した際にあのマフラーを出して見てみたら「アスタリスク」では無かった!

とは言え、このお話の「オチ」はこれではないのです。

ある日 スペイン人の男性2人組のお客さまがお店にいらっしゃって とってもsisiのバッグを気に入ってくれた様子。

何日も通ってくれて少しずつバッグをキープして「最後の日に全部払うからゆっくり選ばせて」と。

4-5回めのご来店の時に私は初めて彼らと話す機会がありました。

アクセサリーを作っていてパリの展示会で販売しているのだけれど、その際にあなたのバッグも紹介して良いだろうか?と。

sisiをまだ初めて2年ぐらいだったので、こんな話しはまるで「夢」のよう!

楽しくって茶目っ気のあるこの2人、「手刺繍」のグラニーバッグを何度も手に取って「あぁ、これ大好きなんだけど、うちのクライアントさんの商品とちょっと似てるからなぁ、ダメだろうなぁ」と。

彼らは自分たちのブランド以外にもあるブランドのアクセサリーのデザインを担当している様。

そのメインのデザイナーさんとは公私で仲がよくご近所で、彼らも大好きなデザイン。

そして「sisiにも似たものを感じるな!だから大好き」と言ってくれていました。

■手刺繍グラニーバッグの詳細ページはこちらです
http://www.sisibag.com/shop/goods/motif.html

「あ、日本人なら知ってるんじゃないかな?」と教えてくれたそのブランドは、なんと私の「マフラー」のその憧れのブランドだったのです!

そりゃそうだ!だって、あのマフラーからインスピレーションを受けてそれは作ったんだもの!(アスタリスクでは無かったけれど)

私は大興奮でそれを彼らに伝え、彼らも「そうなの?じゃ、記念にひとつ彼女(デザイナー)にプレゼントする為に買って行くね!」と。

憧れのブランド、そしてそれを作っているブランド名にもなっているデザイナーさんに こうして『手刺繍グラニーバッグ』は戻って(?)行く事に。

更に数年後、大の仲良しとなった彼らの家に泊まった際に、そのデザイナーさん「シビラ」に会う事になるとはまさか最初にマフラーをもらった時、「手刺繍グラニーバッグ」を作ったときの私は予想する筈がありませんでした。

■シビラ http://www.sybilla.net/about/index.html
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